イギリスとフランスでは紅茶の楽しみ方がまったく違う? 正しいティータイムの知識

正しいティータイムの知識

ケーキや洋菓子がある時、一緒に紅茶を楽しむという人は多いと思います。しかし、本場ヨーロッパの中でも、イギリスとフランスでは紅茶の楽しみ方が全く違うということをご存知でしょうか?

このコラムでは、イギリスとフランスの紅茶に対する認識や発展の歴史の違いについて、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、楽しいティータイムの参考にしてください。

イギリスは紅茶(ブラックティー)、フランスはフレーバーティーが主流

この項目ではイギリスとフランスでの紅茶の楽しみ方の違い、発展の歴史などを解説していきましょう。

イギリスではフレーバーティーは紅茶ではない?

日本人の多くは「紅茶」という大きなくくりがあって、その中にダージリンやアッサムなどの原産地でくくった分け方と、アップルティーやマスカットティーなどのフレーバーを付けたものがある、というイメージが強いでしょう。

しかし、イギリス人は日本人にとっての「紅茶」をブラックティーと呼び、フレーバーティーとは全く別のものとして扱います。確かに茶葉を使った飲み物という点では共通点はありますが、彼らにとっては大きく違うものなのです。日本で例えるなら、緑茶とほうじ茶で考えればわかりやすいかもしれません。緑茶とほうじ茶は「お茶」という範疇には入っていますし、元になる植物は同じですが、見た目、味が大きく異なりますから混同する人はいないでしょう。

イギリスのブラックティーは、セイロン、アッサム、ダージリンなどの茶葉の味と香りを楽しむものです。ちなみにコーヒーの場合ミルクなどを入れない状態をブラックコーヒーと言いますが、イギリス人にとってはミルクを入れてもブラックティーです。

また、イギリスは1日に何度もブラックティーを飲む文化が根付いています。実際に三度の食事の際だけでなく、朝起きてすぐ、午前中と午後の休憩時、寝る前なども併せて1日に6回、7回と飲むのが普通ということもあって、香りを付けることで価格が高くなるフレーバーティーは負担が大きい、という側面もあります。

フランスでは紅茶は香りを楽しむ高価なものとして発展

フランスの紅茶事情はイギリスとは異なり、消費量の7割程度がフレーバーティーと言われています。これには地域性が大きく関係しているのでその点を解説しましょう。

歴史的にはフランスにはイギリスよりも早く茶葉を使った飲み物が伝来しています。実際に18世紀には東洋から茶葉の買い付けを行っていましたが、その後イギリスが紅茶の市場を独占してしまったため、フランスは良質の茶葉が入手できなくなってしまいます。また、水が硬水であることから茶葉本来の香りを楽しむのが難しかったこともあり、イギリスほど紅茶が生活に浸透しませんでした。

上記のような理由もあって、フランスではカフェでコーヒーを飲む文化が発達しました。18世紀ころにはカフェは単にコーヒーを飲むだけの場所ではなく、男性が集まって政治や哲学、芸術を語る場所として成長します。このような背景からフランスではイギリスほど四六時中紅茶を飲むような文化は形成されませんでした。しかしその一方で、男性中心のカフェには出入りできないけれど、喫茶や社交を楽しみたい富裕層の女性をターゲットとしたサロン・ド・テというティーサロンが流行ります。ここでは、富裕な女性たちが、お菓子と一緒に楽しむ贅を凝らした飲み物という位置づけでフレーバーティーが楽しまれました。

つまりイギリスのブラックティーが食事や休憩時に必須の飲み物であることに対して、フランスのフレーバーティーは、特定の層の人たちが華やかな香りを楽しむものとして成長していったのです。現在ではフレーバーティーは高貴な飲み物という位置づけではなくなりましたが、フランス人にとって日常的に飲むのはコーヒーで、フレーバーティーは嗜好品という点では変わりはありません。

まとめ

イギリスとフランスの紅茶に対する位置づけや、それぞれの発展の歴史などをまとめました。

練馬区氷川台にある洋菓子専門店、パティスリールナールではおいしいケーキや焼き菓子の他に、紅茶の茶葉を多数取り扱っています。
イギリス人が好むブラックティーとしてダージリン、アッサム、アールグレーを置いていますし、フランス人が育てた分化であるフレーバーティーとしてアップル、マスカット、サンフラワー、フルーツガーデン、ジャイプールなどをご用意しております。
ブラックティーは50g単位、フレーバーティーは12g単位で、それぞれ数百円というお手頃な単価で販売しておりますので、気軽にいろいろな味をお楽しみいただけます。
当店の焼き菓子やケーキは、材料の産地や安全性に注意を払って厳選したものばかりです。紅茶やフレーバーティーと合わせてお楽しみいただくことで、皆さまの日常を華やかに演出することができます。

パティスリールナールは氷川台駅から徒歩7分、転倒のフランス国旗を目印としてお気軽にお越しください。