パティスリーという言葉には複数の意味がある? フランスのお菓子の歴史を知ろう

パティスリーという言葉には複数の意味がある

最近、洋菓子屋さんのことをパティスリーと呼ぶことが増えてきましたから、言葉としては知っている人も多いでしょう。しかし、その言葉に複数の意味があることや、非常に複雑な歴史を知っている人はあまりいないのではないでしょうか?

このコラムでは、パティスリーという言葉の成り立ちや歴史について、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んでくださいね。

そもそもパティスリーってなに?

近年、洋菓子屋さんを表すことが多い「パティスリー」という言葉ですが、実は3つの意味があることをご存知でしょうか?この項目ではその3つの意味を説明していきましょう。

パティスリーの意味1:お菓子自体のこと

パティスリーの意味のひとつに、「粉を用いて作った生地をオーブンで焼いた菓子」というものがあります。粉というのは一般的には小麦粉で、生地のあるケーキ類のことを示していると考えて良いでしょう。この意味から、以前日本語訳された時には「練り粉菓子」とされていたこともあります。

パティスリーの意味2:お菓子を焼く技術

パティスリーという言葉は、お菓子を焼く技術自体にも使われます。

パティスリーの意味3:お菓子を焼いて販売している店

日本ではパティスリーというとオシャレな洋菓子屋さんというイメージがありますが、フランスではケーキの他にパンやアイスクリームなどを売っている店でもパティスリーと呼ぶこともあります。

パティスリーの歴史を知ろう

ここではパティスリーの歴史について解説していきましょう。

パティスリーという言葉はいつごろ生まれたか?

パティスリーという言葉は、お菓子職人を意味するパティシエから派生して生まれました。時代としては13世紀から14世紀にかけてフランスで成立したようです。パティスリーはフランス語ですが、英語圏ではペストリーと呼びます。ちなみに日本では「女性パティシエ」といった言い方をする場合もありますが、パティシエは男性のみを表す言葉で、女性の場合はパティシエールと呼ぶのが本来の姿です。

パティスリーの歴史(黎明期)

上の項目でパティスリーという言葉が生まれたのは13~14世紀と記述しましたが、これには11世紀に十字軍が遠征からパート・フイユテ(パイのこと)やサトウキビを持ち帰ったことが関係しています。(ただしパート・フイユテの起源には諸説あります)
それ以前は菓子職人やそれ以外の料理人に明快な区別はありませんでした。サトウキビとパート・フイユテは砂糖やパイの技術を得て、分野の確立が進んだようです。

とはいえこのころもパティシエがお菓子作りだけをしていたわけではなく、パン、チーズ、野菜のパテ、肉類なども扱っていたことが知られています。当時のパティシエはパイ包み料理の職人であり、生地に肉を包むこともあったためです。肉を扱うという分野ではロティエール(肉を焼く職人)とシャルキュティエ(豚肉の加工や煮込み料理を作る職人)も存在しており、激しい覇権争いもあったとされています。

パティスリーの歴史(円熟期)

パン職人(ブーランジェ)などと混同されていたパティスリーは、1440年に肉、野菜、魚のパテを製造販売する権利を得て、同業者組合も作って力をつけていきます。その後、1500年代になって、イタリアの有力者メディチ家の娘であるカトリーヌがフランス王の妃になったことで、フランスの料理そのものの発展がはじまります。実はこの時代にはイタリアの富裕層はかなり洗練した食生活を送っていたのに対して、フランスでは貴族や王家でもその域に達していなかったのです。

さらに1600年代になるとチョコレートも伝わり、砂糖の生産量も増えたことから、甘みのあるお菓子作りがちゃくちゃくと洗練されていきます。
1700年代後半に起こったフランス革命の後には、王家や貴族に仕えていた菓子職人たちはいったん職を失いますが、自活のために街でパティスリーを開き始めます。このころになってようやくお菓子は庶民の口にも入るようになります。

その後はシュー生地の発明などもあって、お菓子類は劇的に発展し、現在の華やかなフランス菓子のラインナップが形成されていくのです。

まとめ

パティスリーという言葉が複数の意味を持つことや、パティシエ、パティスリーの歴史についてまとめました。
パティスリールナールは、練馬区氷川台にある洋菓子専門店です。当店は「こだわり」と「安心」を込めた洋菓子作りを行っています。
材料へのこだわりとしては味、栄養、品質管理が整った奥久慈卵や、安心で風味豊かな国産小麦、濃厚な味を持つ北海道根釧地方の牛乳、カカオバター100%を使用しており、長い伝統があるベルギー産チョコレートなどを使用しています。また、保存料もマーガリンも不使用という点でも安心して口にしていただけます。

当店へお越しの際は氷川台駅から徒歩7分、フランス国旗が目印です。本格的で安心・安全なケーキや焼き菓子をお求めの方は、お気軽にパティスリールナールにお越しください!